「ブラックリスト入りでクレジットカードが作れない」「正規の貸金業者の審査に落ちた」「今すぐ現金が必要」—こうした状況に陥った時、SNSで見かける「本当に貸してくれる個人間融資」という広告は、非常に魅力的に映ります。
「審査なし」「即日対応」「誰でも借りられる」という謳い文句に惹かれ、個人間融資に手を出す人は後を絶ちません。しかし、その多くが、想像以上の悪夢に見舞われることになるのです。
この記事では、個人間融資の実態、隠された違法性、そして被害事例、そして本当に安全な代替手段を、わかりやすく解説します。今、お金に困っている方は、ぜひこの記事を読んでから、判断してください。
本当に貸してくれる個人間融資とは何か
個人間融資の定義と仕組み
個人間融資とは、個人が個人に対して、お金を貸す取引のことです。一見、「友人同士のお金の貸し借り」と変わりません。
しかし、SNSで見かける「個人間融資」は、以下の点で異なります。
- 見ず知らずの人同士の取引
- 金利が発生する(友人同士なら通常なし)
- 返済期日や返済額が細かく決められている
- 返済しない場合に何らかの「見返り」を要求される
「本当に貸してくれる」に見える理由(SNS・掲示板・DMの構造)
SNSで個人間融資の広告を見ると、「本当に貸してくれるのか」と疑問に思う人も多いでしょう。では、なぜ「本当に貸してくれるように見える」のでしょうか。
理由は、「最初だけ貸すから」です。
詐欺の典型的な手口:
- 最初の小額(5万円程度)は本当に貸す
- 返済期日が来ると、法外な金利を要求
- 返済できない場合、脅迫や晒しで応じさせる
つまり、最初のハードルを低くして、相手を引き込むのです。
正規の借入と何が違うのか(審査・契約・取り立て)
正規の貸金業者:
- 貸金業の登録をしている
- 厳格な審査をしている
- 契約書が交わされ、法定の金利上限がある
- 返済が遅れた場合、法的な手続きをとる
- 違法な取り立てはしない
個人間融資(違法業者の大多数):
- 登録なしで貸付をしている
- 審査がない(誰にでも貸す)
- 契約書がない、または曖昧
- 法定上限を大幅に超えた金利
- 脅迫、晒し、個人情報悪用などの取り立て
結論|本当に貸してくれる個人間融資はおすすめできない
貸してもらえる可能性よりリスクが上回る理由
個人間融資に手を出すことは、「溺れている人が、さらに深い穴に飛び込む」ようなものです。
確かに、最初はお金が借りられるかもしれません。しかし、その後に待つリスクは、当初の借金より遥かに深刻です。
リスクの具体例:
- 10万円借りたら、数ヶ月で50万円の返済を要求される
- 職場に連絡され、同僚に借金がばれる
- SNSで個人情報が晒される
- 性的関係を強要される
- 犯罪行為(口座譲渡など)を強要される
一度関わると抜け出しにくい典型パターン
個人間融資トラブルの典型的な進行:
- 「審査なし、即日OK」に引かれて申し込み
- 「身分証、口座情報、勤務先を教えてください」と要求される
- 最初は少額(5~10万円)が振り込まれる
- 返済期日が来ると、高額な利息を要求される
- 返済できないと、「職場に連絡する」と脅される
- パニック状態で、追加借入や犯罪行為を強要される
困ったときに最優先でやるべき行動
個人間融資に関わってしまった場合、最優先の行動は「すぐに相談する」ことです。放置すれば、状況は間違いなく悪化します。
連絡すべき先:
- 警察(#9110で相談)
- 消費生活相談窓口(188)
- 弁護士
- 法テラス
個人間融資は違法?合法?判断基準をわかりやすく整理
無登録貸金業に当たるケース(「業として」の考え方)
SNSで「個人間融資」と言っても、多くは実は違法な「貸金業」です。
「業として」貸付をしている場合、貸金業の登録が必須です。
「業として」の判断基準:
- 複数の人に貸付をしている
- 継続的に貸付をしている
- 金利を取っている
- 営利目的で貸付をしている
SNSで「融資します」と投稿して複数人に貸付をしている場合、これは間違いなく「業としての貸金業」であり、登録がない場合は違法です。
利息制限法の上限金利と、超えた場合の扱い
貸金業であれば、金利に上限があります。
利息制限法の上限金利:
- 10万円未満:年20%
- 10万円以上100万円未満:年18%
- 100万円以上:年15%
個人間融資の典型的な金利:
- 「10日で1割」=年利365%
- 「月利10%」=年利120%
- 「3割」=年利3600%
完全に法定上限を超えており、違法です。
出資法違反が問題になるケース
更に厳しいのが「出資法」です。出資法では、以下が禁止されています。
- 年利109.5%を超える金利での貸付
- この場合、刑事罰(5年以下の懲役、1000万円以下の罰金)の対象
ほぼすべての個人間融資は、この出資法の上限を超えており、犯罪行為です。
借りた側が罪に問われる可能性はあるのか
回答:基本的にはありません。借り手は「被害者」であり、罪に問われることはありません。
ただし、以下の場合は注意が必要です。
- 自分が貸し手になり、他の人に高金利で貸付をした場合(違法業者に)
- 犯罪行為(口座譲渡など)を強要されて従った場合
個人間融資で起きやすいトラブル事例
法外な金利請求(トイチ等)と返済地獄
トイチ(10日で1割)の例:
- 10万円を借りる
- 10日後に11万円返済
- 返済できない場合、12.1万円に
- さらに10日後に13.31万円に……
- 気づいた時には、元本の数倍に膨れ上がっている
悪質な取り立て(家・職場・家族への接触)
返済が遅れると、以下のような取り立てが起こります。
- 家への訪問(深夜も含む)
- 職場への電話(借金の事実を暴露)
- 家族(親、配偶者)への連絡
- LINEで脅迫的なメッセージ
- 「返さなけりゃ晒す」という脅し
個人情報の提出要求と晒し・悪用
借入時に以下の情報を求められます。
- 身分証のコピー
- 顔写真
- 銀行口座情報
- 勤務先情報
- 家族の情報
これらが悪用されます。
- SNSで顔写真を晒される
- 他のヤミ金業者に情報が売却される
- 本人名義の勝手な申し込みをされる
- 二次被害が広がる
犯罪行為の強要(口座譲渡・闇バイト等)
返済できない場合、以下の犯罪行為を強要されることがあります。
- 口座譲渡:「銀行口座を譲ってくれたら、返済を帳消しにする」と言われ、口座を譲る。その口座が詐欺などの犯罪に使われる。本人が共犯者扱いされるリスク
- 闇バイト:「高時給の仕事がある」と言われ、実は詐欺や犯罪に巻き込まれる
- 特殊詐欺の手助け:受け子など、犯罪に直接関与させられる
性的関係を条件にする「ひととき融資」の危険性
「ひととき融資」という言葉は、最も危険なタイプの個人間融資です。
仕組み:
- 「お金を貸してあげるけど、その条件として会う必要がある」
- 「会う」というのは、実は性的関係を意味している
- 女性を狙った詐欺的な融資
これは実質的なレイプであり、詐欺です。絶対に応じてはいけません。
被害に遭う前に知っておきたい「危険サイン」チェック
最初に身分証・口座・勤務先を求める
正規の貸金業者でも、本人確認のため身分証を求めますが、以下は危険です。
- 身分証のコピーを要求される
- 「顔がはっきり写った写真も送ってください」と要求
- 銀行口座のスクリーンショットを要求
- 勤務先の詳細な情報を要求
これらは、その後の脅迫や晒しに使用する目的です。
LINE移動・DMのみ・契約書なし
- 公式なサイトを通さず、LINEのみでやり取り
- 契約書がない
- 返済条件が曖昧
- 「口頭で大丈夫」と言われる
これらはすべて、後で揉め事が起きた時に証拠がない状態にするためです。
手数料先払い、保証金、紹介料の要求
「お金を貸す前に、以下を払ってください」と言われたら、詐欺確定です。
- 手数料(「事務手数料」という名目)
- 保証金
- 紹介料
- 審査料
これらを払っても、お金は返ってきません。
返済が遅れた瞬間に脅しや晒しを示唆する
- 「返済が1日遅れたら、SNSに晒す」
- 「職場に連絡する」
- 「家族に連絡する」
このような脅しをする貸金業者は、確実に違法業者です。
個人間融資以外でお金を工面する現実的な方法
支出の見直しと短期での資金確保(優先順位の付け方)
最初にやるべきは「支出を削る」ことです。
削減対象の優先順位:
1. サブスクリプション:動画配信、音楽配信、定期購入など。月5,000~10,000円削減可能
2. 通信費:格安SIMに切り替えで月3,000~5,000円削減
3. 保険:不要な保険を整理。月2,000~5,000円削減
これだけで、月10,000~20,000円の資金が捻出できます。
正規業者から借りる場合の注意点(登録確認・借り過ぎ防止)
正規の貸金業者から借りる場合は、以下をチェック。
- 金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で登録確認
- 金利は年18%~20%程度
- 契約書が交わされる
- 返済計画が明確
違法な金融業者の典型的な手口や注意点は金融庁の注意喚起も参考にしてください。
あわせて、被害を広げないためのポイントはヤミ金融に関する注意情報も確認しておくと安心です。
生命保険の契約者貸付制度など、手持ち資産の活用
生命保険に加入している場合、以下が可能です。
- 契約者貸付制度:解約返戻金を担保に、その80~90%まで借り入れ可能。金利は低い(年3~6%程度)
- 定期預金の担保貸付:銀行の定期預金を担保に、その一定割合を借り入れ可能
公的制度を使う(生活福祉資金貸付制度)
社会福祉協議会が行う「生活福祉資金貸付制度」では、以下が可能です。
- 原則無利子で借り入れ可能
- 返済期間が長い(最大20年)
- 月々の返済額が少ない
- 生活が困難な人向けの制度
申請要件や手続きの流れは生活福祉資金貸付制度の案内も確認してください。
生活保護の検討ポイント(相談の流れと誤解されやすい点)
他に方法がない場合、生活保護の申請も検討。
よくある誤解:
- 「生活保護は恥ずかしい」:誤りです。権利です
- 「家族に迷惑がかかる」:申請時に家族に通知されるが、扶養義務はない場合がほとんど
- 「働けなくなる」:誤りです。働きながらの生活保護も可能(収入によって額が変わる)
借金が原因なら「債務整理」で根本解決を目指す
任意整理(返済負担を減らす考え方)
個人間融資を含む複数の借金がある場合、弁護士が業者と交渉し、利息をカットすることが可能。
メリット:
月々の返済額が減り、3~5年で完済できる見通しが立つ。
任意整理の基本的な考え方や手続きの整理には法テラスの任意整理FAQも役立ちます。
個人再生(家を残したい場合の選択肢)
借金を30~50%に減額し、3~5年で返済。住宅ローンがある場合、住宅を守ることが可能。
自己破産(免責とデメリットの整理)
借金をゼロにする。ただし、特定の財産は処分され、資格制限もある。
専門家に相談するメリット(取り立て停止・交渉・再発防止)
弁護士に依頼すると、以下が実現します。
- 取り立てが法的に停止される
- 個人間融資も含む全ての借金の整理が可能
- 返済計画が立てられる
個人間融資トラブルの相談先と動き方
まずは証拠を確保する(メッセージ・振込履歴・通話記録)
個人間融資トラブルに気づいたら、まず証拠を確保することが重要です。
- LINEのメッセージをスクリーンショット
- 振込履歴を保存
- 通話記録を記録
- 脅迫的なメッセージは特に保存
警察相談(#9110)に相談する目安
以下の場合は警察に相談してください。
- 脅迫(「晒す」「職場に連絡する」など)
- 詐欺(最初から返す気がないまま融資を受けた場合)
- 恐喝(返済できないと脅された場合)
消費生活相談(188)でできること
188番に電話すると、消費生活相談窓口に繋がります。
- 個人間融資の違法性についての説明
- 相談内容に基づいた対応方法の提案
- 警察や弁護士への仲介
金融庁・業界団体の窓口で確認できること
金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、業者が本当に登録されているかを確認。
弁護士に依頼した場合の進め方(交渉・支払い停止の整理)
弁護士に依頼すると、以下が可能になります。
- 個人間融資業者との交渉
- 取り立ての停止
- 不当な金利の返還請求
- その他の借金を含めた包括的な整理
よくある質問(Q&A)
ブラックでも本当に貸してくれる個人間融資はある?
回答:貸してくれるかもしれません。ただし、その代わりに高額な金利、脅迫、個人情報の悪用などの被害を受ける可能性があります。一時的にお金を手に入れても、その後の損失が遥かに大きいのです。
借りた側が逮捕されることはある?
回答:個人間融資を借りたこと自体では逮捕されません。ただし、返済のために犯罪行為(口座譲渡など)をさせられ、それに従った場合は罪に問われる可能性があります。
金利の上限は?下限はある?
回答:法的上限金利は、借入額により異なりますが、年15~20%です。これを超える金利は違法です。下限は法律で規定されていませんが、正規業者でも年5~10%程度です。
返せないときはどうしたらいい?
回答:すぐに警察(#9110)、消費生活相談(188)、または弁護士に相談してください。一人で対応してはいけません。相談することで、被害を最小化できます。
家族や職場に連絡された場合の対処は?
回答:家族や職場への連絡は、違法な取り立て行為です。警察に通報してください。また、勤務先にも連絡し、金融業者からの連絡があった旨を報告しておくと、今後の被害を防げます。
まとめ|「本当に貸してくれる」に飛びつかず、安全な道を選ぶ
個人間融資を避けるべき理由の総整理
個人間融資の99%以上が、違法業者または詐欺です。
理由:
- 法定上限金利を大幅に超える金利を請求
- 脅迫や晒しという違法な取り立て
- 個人情報の悪用
- 犯罪行為の強要
今すぐできる代替策チェックリスト
個人間融資に頼る前に、以下を試してください。
- □ 支出を見直し、5,000円以上削減できないか
- □ 生命保険の契約者貸付が使えないか
- □ 親族からの借入が可能か
- □ 社会福祉協議会の貸付制度は利用できないか
- □ 生活保護の申請は可能か
- □ 正規の消費者金融(低金利)は利用できないか
相談は早いほど被害を小さくできる
個人間融資に関わったら、すぐに相談することが、最も重要です。
相談先(優先順位):
1. 警察(#9110):脅迫や詐欺の相談
2. 消費生活相談(188):相談内容に応じた対応
3. 弁護士/法テラス:法的な手続きや交渉
一人で悩まず、今すぐ相談してください。被害は日々拡大しています。
