「自己破産をしたいが、手続きにお金がかかる。でも今、お金がない」という矛盾した状況に直面している方も多いでしょう。実は、自己破産 費用には相応の負担があり、その費用を工面できるかどうかが、手続きの進行に大きく影響します。
本記事では、自己破産 費用の相場と内訳、支払いタイミング、そして「お金がない人がどうやって手続きを進めるか」という現実的な方法まで、わかりやすく解説します。費用がないからといって、自己破産をあきらめる必要はありません。
自己破産の費用は「合計いくら」かかる?まず全体像をつかむ
自己破産にかかる費用は、多くの要因に左右されます。その全体像をまず理解することが重要です。
費用が変わるポイント(事件類型・債権者数・財産状況)
自己破産 費用が変動する主な要因:
- 事件の類型(同時廃止 vs 管財事件):大きな費用差がある
- 債権者の数:多いほど手続きが複雑になり、費用が増える
- 財産の有無・複雑さ:財産が多い、または複雑だと費用が増加
- 弁護士 vs 司法書士:対応範囲で費用が変わる
- 地域による差異:東京など大都市と地方で弁護士費用に差がある
同時廃止・簡易管財・一般管財の違いと費用感
自己破産には3つのルートがあり、費用が大きく異なります。
同時廃止になりやすいケース
特徴:
- 財産がほぼない:生活必需品くらいのみ
- 債権者が少ない:通常10社以下
- 取引が単純:複雑な過去取引がない
費用:
- 弁護士費用:約20~40万円
- 裁判所費用:約3~5万円
- 合計:約23~45万円
簡易管財になりやすいケース
特徴:
- 若干の財産がある:自動車、生命保険解約金など
- 債権者が多めである:10~20社程度
- 取引に若干の複雑性:過去の借り直しなど
費用:
- 弁護士費用:約40~60万円
- 裁判所費用(予納金含む):約20~50万円
- 合計:約60~110万円
一般管財になりやすいケース
特徴:
- 相応の財産がある:不動産、有価証券など
- 債権者が多い:20社以上
- 取引が複雑:詐欺的な借り入れ、複数の別除権者など
費用:
- 弁護士費用:約60~100万円以上
- 裁判所費用(予納金含む):約100万円以上
- 合計:約160万円以上
重要:同時廃止なら比較的安い(20~45万円)が、管財事件になると大きく跳ね上がる傾向があります。
より具体的な相場感の補足として、自己破産費用の相場と内訳の解説もあわせて確認しておくと、費用のイメージが固まりやすくなります。
自己破産 費用の内訳一覧
費用を構成する個々の項目を詳しく説明します。
裁判所に支払う費用(申立手数料・郵券・官報公告費用)
裁判所関係の費用:
- 申立手数料(収入印紙):1,500円~2,000円
- 郵券(裁判所への郵便代):数千円(債権者数に応じて増減)
- 官報公告費用:約4,500円
- 官報掲載料:約14,000円
- 合計(同時廃止の場合):約2~3万円
裁判所費用の考え方や手続の実務については、倒産手続に関する裁判所のQ&Aも参考になります。
債権者数で増えやすい費用と注意点
- 郵券代は債権者1社につき約500円増加
- 例えば、20社なら1万円、50社なら2.5万円
- 郵便代は予測できる費用のため、弁護士が概算で教えてくれる
管財事件の「予納金」とは(同時廃止との違い)
管財事件では「予納金」という特別な費用が発生します。
予納金とは:
- 管財人の報酬・活動費として、裁判所に事前に預ける金銭
- 管財人が財産調査、債権者への返済分配などの業務を行うため
- 手続きが終わるまで、基本的に戻ってこない
簡易管財の予納金の目安と特徴
- 予納金の額:通常20~50万円
- 多くの裁判所では「20万円程度」が最小ライン
- 債権者数が多いと「50万円」に跳ね上がることもある
- 特徴:管財人が簡易的な調査のみ行う
一般管財の予納金が高くなる典型パターン
- 不動産を所有している:売却手続きに時間と費用がかかる
- 事業をしていた:税務調査などの複雑な業務が発生
- 詐欺的な借り入れがある疑い:詐欺罪との関係で捜査が入る
- 予納金の額:通常100万円以上、500万円を超えることもある
弁護士費用の内訳(相談料・着手金・報酬・実費)
弁護士費用の構成:
- 相談料:初回無料、または1時間5,000~1万円
- 着手金:依頼時に支払う基本料金(20~40万円程度)
- 報酬金:手続き完了時に支払う成功報酬(同時廃止なら着手金で完結する場合も多い)
- 実費:郵便代、交通費、書類取得代など(1~2万円)
弁護士費用の考え方や費用を抑える視点は、自己破産費用のポイント整理も参照すると比較検討しやすくなります。
費用が上がりやすい要因(資料不足・取引が複雑など)
- 資料が不足している:弁護士が取引履歴の取り寄せなど、追加業務が増える
- 取引が複雑:利息計算の引き直しが必要など、手間がかかる
- 管財事件に移行する可能性:簡易管財に対応できる弁護士費用を上積みする場合がある
- 裁判所への出廷が複数回必要:通常1回で済むが、稀に複数回出廷することもある
費用はいつ払う?手続きの流れと支払いタイミング
費用を払うタイミングを知ることで、資金計画が立てやすくなります。
相談〜依頼時に必要なお金
- 初回相談料:無料~1万円程度(依頼予定なら無料の事務所も多い)
- 依頼時の着手金:通常、弁護士に依頼する際に支払う(20~40万円)
- 支払い方法:分割払いを相談できることが多い
- 「月々3万円×6ヶ月」など、柔軟な支払いプランが可能な場合が多い
申立て前後に発生する裁判所費用の支払い
- 申立て手数料・郵券:申立て時に支払う(合計3~5万円程度)
- タイミング:弁護士が申立て準備時に、本人に支払いを指示
- 方法:収入印紙の購入、郵便局での郵券購入など
管財人が選任された後に必要になる支払い
- 予納金:簡易管財なら20~50万円、一般管財なら100万円以上
- タイミング:裁判所から「予納金を期日までに納付しよ」という指示が来る
- 期日:通常、第1回債権者集会の前(申立てから1~2ヶ月以内)
- 支払いを遅延させると、手続きが止まるリスク
手続終了後に発生しやすい費用の整理
- ほぼ追加費用はない:基本的に予納金で全ての費用が賄われる
- ただし、稀に「追加予納金」を求められることもある:財産清算に予想以上に時間がかかった場合
- 免責決定後の費用:通常ゼロ:官報掲載などは既に済んでいる
自己破産の費用が払えないとどうなる?
費用を払えない場合のリスクを理解することが、解決策を見つけるきっかけになります。
裁判所費用が用意できない場合のリスク
- 申立て自体ができない:申立手数料がないと申立て不受理になる
- 予納金が払えないと、手続きが停止される:最悪、申立て取下げになることもある
- ただし、多くの裁判所は「分割納付」に対応している:「月々5万円×4ヶ月」など
弁護士費用が支払えない場合のリスク
- 「着手金が払えないので、任意整理にしよう」と追い込まれる可能性
- 自己破産が本当に必要なのに、費用理由で別の手段を選ばざるを得ない状況
- または、「法テラス」などの公的制度を利用する選択肢が生じる
督促・差押えの不安が再燃しやすい場面
- 弁護士に依頼する前(相談段階)では、督促は止まらない:未だ「受任通知」が送付されていないため
- 依頼後の着手金支払い途中でも、督促が来る場合がある:弁護士は「分割中だ」と業者に説明するが、対応がばらつく
- 「費用が用意できない」という理由で手続きを延ばすと、債務者の心理的負担が増す
自己破産の費用がないときの対処法
お金がないからこそ、自己破産が必要な方が多いのが現実です。その場合の対処法を説明します。
弁護士費用の分割払い・後払いを相談する
積立の考え方と、家計の立て直しポイント
- 多くの弁護士事務所は「分割払い」に対応している
- 「月々いくら払えるのか」を正直に相談することが重要
- 例えば「月々2万円」なら、「10ヶ月で20万円着手金を払う」というプランが立つ
家計の立て直しポイント:
- 現在の支出を削減できるか確認:サブスク解約、食費削減など
- 「月々いくら捻出できるか」を弁護士に説明
- 弁護士と相談しながら、分割額を決定する
親族からの援助を受けるときの注意点
「借りる」より「援助」が安全になりやすい理由
- 親から「弁護士費用を払ってほしい」と頼む場合、「借りる」より「援助(返さなくていい)」の方が安全
- 理由:「自己破産申立て時に新たに借金が発生している」と見なされるリスクを避けるため
- 破産裁判所が「なぜこのタイミングで借金が増えているのか」と疑問を持つ場合がある
- 「返済不要な援助」ならば、その後の破産手続きに支障がない
法テラスを利用する(立替制度・要件・流れ)
法テラスとは、国が設立した「司法支援窓口」です。低所得者を対象に、法律相談・弁護士業務の費用立替を行っています。
制度の詳細や自己破産費用の立替に関する整理は、法テラスの自己破産費用立替の案内も確認しておくと安心です。
無料相談の活用方法
- 法テラスでは月1回まで無料相談できる:0570-000-110で予約
- 相談内容に応じて、法テラス提携の弁護士を紹介
- その弁護士に「法テラス立替」で依頼することが可能
立替後の返還・猶予・免除の考え方
- 法テラスが弁護士費用を立て替える:本人は法テラスに返す必要がある
- 返還額の目安
- 弁護士費用の大部分が立て替えられ、月々5,000~1万円程度の返還
- 返還期間は最長10年
- 返還金は自己破産の「破産債権」として扱われるため、返済すべき金額に含まれることもある
- ただし、生活保護受給中の場合は「猶予・免除」の可能性がある
メリット:自己破産 費用の大部分を法テラスが負担してくれるため、本人負担が大幅に軽減される。
任意整理という選択肢(費用と向き不向き)
自己破産との違い(減額できる範囲・期間・影響)
任意整理とは:弁護士が貸金業者と交渉し、利息をカット、元本を3~5年で分割返済する方法
費用比較:
- 任意整理の弁護士費用:1社あたり3~5万円、複数社なら30~60万円程度
- 自己破産より安い傾向がある
- 裁判所費用も低い(数千円程度)
向き不向き:
- 向いている:「借金は残るが、利息をカットして返済したい」という人
- 向いていない:「返済能力が全くない」という人(自己破産すべき)
- 信用情報への影響:同じくらい(約5~7年記載される)
弁護士に依頼するメリットと「費用以上の価値」
弁護士費用がかかるからこそ、そのメリットを理解することが重要です。
受任通知で督促が止まり、準備に集中できる
- 弁護士に依頼すると、すぐに「受任通知」が貸金業者に送付される
- その瞬間から、督促電話が止まる
- 精神的な負担が一気に軽くなり、自己破産の準備に集中できる
- この精神的な価値だけで、弁護士費用の価値がある」と言える
手続きのミスを減らし、書類・裁判所対応を任せられる
- 自己破産の書類は複雑:誤記があれば手続きが遅延
- 弁護士が全ての書類作成を担当:ミスのない正確な書類が提出される
- 裁判所での面接、陳述書の内容説明なども弁護士がサポート
- 裁判所との対応が得意でない人にとって、この負担軽減は大きい
簡易管財を狙える可能性と、結果的な負担軽減
- 弁護士が「簡易管財で十分」と判定すれば、一般管財より費用が安い
- 裁判所への働きかけで「簡易管財」を実現する可能性
- 結果的に、手続き全体の費用が100万円減ることもある
司法書士に依頼できる?弁護士との違いと選び方
弁護士より費用が安い司法書士への依頼を検討する場合もあります。
対応できる範囲(書類作成中心になりやすい点)
- 司法書士は「書類作成」がメイン:申立書類の作成、提出
- 弁護士ほどの「対応の広さ」はない傾向:裁判所面接での代理対応が限定的
- 費用が弁護士より安いことが多い:20~35万円程度
管財見込みがある場合に注意したいポイント
- 「簡易管財になりそう」と判定された場合、司法書士より弁護士が有利
- 理由:管財人との交渉、裁判所への説明が複雑になるため
- 司法書士は「同時廃止見込み」の案件向け
相談先を選ぶチェックリスト(料金体系・分割可否など)
【弁護士・司法書士を選ぶ際のチェック項目】
- ☐ 費用の明細が明確に説明されているか
- ☐ 分割払いが可能か、何ヶ月払いまで対応しているか
- ☐ 法テラス対応しているか
- ☐ 初回相談が無料か
- ☐ 事件の進捗報告があるか(定期的に連絡をくれるか)
- ☐ 管財事件の経験が豊富か
- ☐ 追加費用の可能性について説明しているか
よくある質問(自己破産の費用Q&A)
自己破産を安くする方法はある?
Q: 自己破産の費用をもっと安くする方法がありますか
A: 限定的ですが、いくつかの方法があります。
- 法テラスを利用する:最も効果的。費用が大幅に軽減される
- 同時廃止を目指す:財産を処分し、管財事件を避ける
- 司法書士に依頼する:弁護士より安い場合が多い(ただし、トレードオフあり)
- 複数事務所に見積もりを取る:費用がばらつく場合がある
借金が少ないと「費用倒れ」になる?
Q: 借金が100万円しかないのに、弁護士費用が30万円かかるのは「損」ですか
A: いいえ。「費用倒れ」にはなりません。
- 自己破産は「借金がいくらか」ではなく、「返済能力があるか」で判定される
- 返済能力がなければ、借金100万円でも免責される(帳消しになる)
- 任意整理なら、100万円の借金を30万円の弁護士費用で3~5年返済する計画になり、結果的に損
- 自己破産なら、弁護士費用は返す必要がない借金扱いになることもある
2回目の自己破産は費用が高くなる?
Q: 前に一度自己破産したことがあります。2回目の費用は高くなりますか
A: 基本的には同じくらい。ただし注意点があります。
- 2回目でも費用相場は変わらない
- ただし、「前回免責から7年以内」の場合、自動廃止制度が働かず、管財事件になりやすい
- その場合、予納金が増える(費用が跳ね上がる可能性)
- 事情(やむを得ない事由)があれば、裁判所は柔軟に対応する場合もある
個人再生・任意整理の費用相場は?
Q: 自己破産の代わりに、個人再生や任意整理を選んだ場合の費用相場はいくら
A: 以下の通り:
- 任意整理:1社あたり3~5万円、複数社なら30~80万円
- 個人再生:40~80万円(裁判所費用含む)
- 自己破産:20~150万円(事件の種類による)
生活保護受給中でも自己破産できる?
Q: 生活保護をもらっているのですが、自己破産できますか。費用はどうなります
A: はい。できます。費用について特別な措置があります。
- 生活保護受給中の自己破産は可能:法的な障害はない
- 法テラスの「立替制度」が利用できる
- 立替金の返還は「猶予」「免除」される可能性が高い
- 事実上、弁護士費用の自己負担がゼロになることもある
まとめ|費用の見通しを立て、無理のない方法で手続きを進める
自己破産にかかる費用は、借入状況と経済的状況で大きく変わります。その見通しを立てることが、手続きを成功させるカギです。
費用の合計・内訳・支払い時期を再確認
【費用のイメージを固める】
- ☐ 自分の事件が「同時廃止か、管財か」を弁護士に確認
- ☐ 弁護士費用の見積もりをもらった
- ☐ 裁判所費用(予納金含む)の見積もりをもらった
- ☐ 合計費用がいくらかを把握した
- ☐ 支払い時期(着手金・予納金・その他)を確認した
払えない場合は「分割・法テラス・代替手段」を早めに検討
- 「費用がない」ことは、自己破産を諦める理由にはならない
- 分割払い、法テラス、任意整理など、選択肢は複数ある
- 重要:「決断を先延ばしにしない」こと
- 早めに弁護士に相談し、「自分たちに最適な方法は何か」を判定することが重要

