お金がない・どこからも借りられないときの対処法|公的支援と債務整理で生活を立て直す

お金がない 2026

「給料日まであと2週間、でも財布には千円しかない」「カードローンの審査に落ちた」「家賃も光熱費も滞納している」—お金がない状況は、誰にでも起こりうることです。

焦りや不安から、つい危険な方法に手を出してしまう人もいます。しかし、日本には生活が苦しい人を支える公的支援制度が数多く用意されています。また、借金が原因で苦しんでいるなら、債務整理という正当な解決方法もあります。

この記事では、お金がないときに「やってはいけないこと」と「使える制度」を整理し、生活を立て直すための具体的な道筋を解説します。一人で抱え込まず、まずは今の状況を客観的に把握することから始めましょう。

  1. お金がない状況で最初に確認すべきこと
    1. いま必要な金額と期限を整理する
    2. 家計の固定費を即日で下げるチェックリスト
      1. スマホ・サブスク・保険・家賃の見直し
    3. 延滞中の支払いがある場合の優先順位
      1. 家賃・光熱費・税金・借金の考え方
  2. すぐに現金を作る現実的な方法
    1. 日払い・短期バイトで当面をしのぐ
    2. 不用品を売る・質に入れる
      1. 高く売れやすい物と注意点
    3. 会社の制度を使う
      1. 給料の非常時払い
      2. 従業員貸付制度
    4. 保険の制度を活用する
      1. 生命保険の契約者貸付制度の仕組みと条件
    5. 資産を担保に借りる選択肢
      1. 不動産担保ローンのメリット・リスク
  3. どこからもお金を借りられない主な理由
    1. 信用情報の問題(いわゆるブラック)
      1. 事故情報がつく代表例と影響
    2. 総量規制で借入上限を超えている
      1. 年収との関係と例外の考え方
    3. 金融機関ごとの限度額に達している
    4. 短期間の申込が多い(申込履歴の影響)
  4. 公的支援で生活を支える選択肢
    1. 住まいを守る支援
      1. 住居確保給付金の概要と対象
    2. 生活費の貸付制度
      1. 生活福祉資金貸付制度の種類と相談先
    3. 仕事を探しながら利用できる制度
      1. 求職者支援制度と求職者支援資金融資
    4. 病気やけがで働けないとき
      1. 傷病手当金の条件と申請の流れ
    5. 生活再建ローンの位置づけと注意点
  5. 生活が苦しくどうしようもないときの最終手段
    1. 生活保護を検討する目安
      1. 相談先と準備しておきたい情報
    2. 借金が原因なら債務整理で立て直す
      1. 債務整理が向いているケースの判断軸
  6. 債務整理の種類と選び方
    1. 任意整理
      1. 将来利息カットと返済計画(目安3〜5年)
    2. 個人再生
      1. 借金減額の仕組みと住宅を残せる可能性
    3. 自己破産
      1. 免除の考え方と財産・資格への影響
    4. 手続き前に確認したいリスクと誤解
      1. 家族や職場に知られる可能性
      2. 信用情報への影響と回復までのイメージ
  7. 絶対にやってはいけない危険な手段
    1. クレジットカード現金化のリスク
    2. ネット出品の現金購入・給与ファクタリングの注意点
    3. 闇金・SNS個人間融資の危険性
      1. 詐欺・犯罪被害・個人情報悪用
    4. 銀行口座の売買が招く重大トラブル
    5. 生活保護費で借金返済しない理由
  8. 弁護士・司法書士に相談するメリットと相談先
    1. 相談で得られること(取り立て停止・方針決定・手続き代行)
    2. 弁護士と認定司法書士の違い
      1. 対応できる金額・業務範囲の目安
    3. 無料相談を有効活用する準備
      1. 借入先・残高・返済額・収支のメモ
  9. よくある質問(FAQ)
    1. 今すぐお金が必要でも安全に動くには?
    2. 家族にバレずに相談できますか?
    3. 債務整理をするとどれくらいで楽になりますか?
    4. 公的支援と債務整理は同時に進められますか?
  10. まとめ|お金がないときは「危険回避」と「制度活用」で立て直す
    1. 短期の資金確保→公的支援→根本解決(債務整理)の順で考える
    2. 一人で抱えず、早めに公的窓口と専門家につなぐ

お金がない状況で最初に確認すべきこと

「お金がない」と感じたとき、まず必要なのは冷静に状況を整理することです。何がどれだけ足りないのか、いつまでに必要なのかを明確にすることで、取るべき行動が見えてきます。

いま必要な金額と期限を整理する

漠然と「お金がない」と考えていても解決策は見つかりません。以下の点を紙やスマホのメモに書き出してみましょう。

  • 今月中に必要な金額:家賃、光熱費、食費、通信費、借金の返済額など
  • 各支払いの期限:いつまでに払わないと問題になるか
  • 次の収入予定日:給料日、年金支給日、その他の入金予定
  • 不足額:必要額から収入予定を引いた金額

この作業をすることで、「本当に足りない金額」と「支払いの優先順位」が明確になります。

家計の固定費を即日で下げるチェックリスト

収入を増やすより、支出を減らす方が即効性があります。以下の固定費を見直してみましょう。

スマホ・サブスク・保険・家賃の見直し

見直し項目 削減の目安 具体的な方法
スマホ代 月3,000〜5,000円 格安SIMへの乗り換え、プラン見直し
サブスク 月1,000〜5,000円 動画・音楽・アプリの解約、重複サービスの整理
生命保険 月3,000〜10,000円 不要な特約の解約、保障額の見直し
家賃 交渉または引越し 大家への減額交渉、公営住宅への申込み

特にサブスクリプションサービスは、契約したまま使っていないものが多いです。クレジットカードの明細を確認し、不要なものはすぐに解約しましょう。

延滞中の支払いがある場合の優先順位

すでに複数の支払いが滞っている場合、すべてを同時に解決するのは難しいかもしれません。その場合は優先順位をつけて対応します。

家賃・光熱費・税金・借金の考え方

優先度が高い支払い

  1. 家賃:滞納が続くと立ち退きを求められる可能性があります。住む場所を失うと生活再建が極めて困難になります
  2. 光熱費:電気・ガス・水道は生活に不可欠です。滞納が続くと供給停止になります
  3. 税金・社会保険料:延滞金が高く、最終的には財産差し押さえの対象になります
  4. 借金の返済:督促は来ますが、すぐに生活が立ち行かなくなるわけではありません

まず「住む場所」と「ライフライン」を確保することを最優先にしてください。借金の返済は、生活の基盤を守った上で考えましょう。

すぐに現金を作る現実的な方法

今すぐお金が必要な場合、合法的かつ安全に現金を得る方法があります。

日払い・短期バイトで当面をしのぐ

最も確実に現金を得る方法は、働くことです。日払い・週払いのアルバイトなら、すぐに収入を得られます。

  • 軽作業:倉庫でのピッキング、検品作業など
  • 引越しスタッフ:繁忙期は特に需要が高い
  • イベントスタッフ:コンサートや展示会の設営など
  • 配送・デリバリー:フードデリバリーは即日登録可能なサービスも
  • 清掃業務:ビル清掃、ホテル清掃など

求人サイトやアプリで「日払い」「即日払い」で検索すると、多くの求人が見つかります。

不用品を売る・質に入れる

自宅にある不用品を売却することで、すぐに現金化できます。

高く売れやすい物と注意点

高値がつきやすいもの

  • ブランド品(バッグ、財布、時計など)
  • スマートフォン、タブレット
  • ゲーム機、ゲームソフト
  • カメラ、レンズ
  • ブランド服、アクセサリー
  • 金・プラチナ製品

売却先の選び方

  • フリマアプリ:メルカリ、ラクマなど。高値で売れる可能性があるが、売れるまで時間がかかることも
  • 買取店:その場で現金化できるが、買取価格は低め
  • 質屋:品物を担保にお金を借りる形。期限内に返済すれば品物は戻る

質屋は利息がかかりますが、大切な品物を手放さずに一時的に資金を得たい場合に有効です。

会社の制度を使う

会社員であれば、勤務先の制度を利用できる場合があります。

給料の非常時払い

労働基準法第25条では、労働者が出産、疾病、災害などの「非常時」には、給料日前でもすでに働いた分の賃金を請求できると定められています。

対象となる「非常時」は以下のとおりです。

  • 出産、疾病、災害
  • 結婚、死亡
  • やむを得ない事由で1週間以上帰郷する場合

会社によっては独自の前払い制度を設けているところもあります。まずは総務や人事に相談してみましょう。

従業員貸付制度

福利厚生として「従業員貸付制度」を設けている会社もあります。消費者金融より低金利(年1〜5%程度)で借りられることが多く、返済は給与天引きが一般的です。

ただし、借入理由の申告が必要な場合や、勤続年数などの条件がある場合もあります。就業規則を確認するか、人事部門に問い合わせてみてください。

保険の制度を活用する

生命保険に加入している場合、解約しなくても資金を得る方法があります。

生命保険の契約者貸付制度の仕組みと条件

契約者貸付制度とは、生命保険の「解約返戻金」を担保に、保険会社からお金を借りる制度です。

メリット

  • 審査不要で借りられる
  • 保険契約は継続したまま利用できる
  • 金利は年2〜6%程度と比較的低い
  • 返済期限に柔軟性がある

注意点

  • 解約返戻金のある保険(終身保険、養老保険など)に限られる
  • 借入上限は解約返戻金の70〜90%程度
  • 返済しないと保険が失効する可能性がある

掛け捨て型の保険には解約返戻金がないため、この制度は利用できません。

資産を担保に借りる選択肢

不動産などの資産がある場合は、それを担保に借入ができる可能性があります。

不動産担保ローンのメリット・リスク

メリット

  • 無担保ローンより低金利(年3〜10%程度)
  • 借入可能額が大きい
  • 返済期間を長く設定できる
  • 信用情報に問題があっても審査に通る場合がある

リスク

  • 返済できなければ不動産を失う
  • 手続きに時間がかかる(1〜2週間程度)
  • 抵当権設定などの諸費用がかかる

住む場所を失うリスクがあるため、慎重な判断が必要です。

どこからもお金を借りられない主な理由

「どこに申し込んでも審査に落ちる」という場合、いくつかの原因が考えられます。

信用情報の問題(いわゆるブラック)

金融機関は、申込者の信用情報(クレジットヒストリー)を確認します。過去に返済トラブルがあると、「事故情報」が登録され、審査に通りにくくなります。

事故情報がつく代表例と影響

事故情報の種類 登録期間の目安
61日以上の延滞 完済から5年程度
債務整理(任意整理・個人再生・自己破産) 5〜10年程度
強制解約 5年程度
代位弁済 5年程度

事故情報が登録されている間は、新規のローンやクレジットカードの審査に通ることが非常に難しくなります。

総量規制で借入上限を超えている

貸金業法の「総量規制」により、消費者金融やクレジットカードのキャッシングでは、年収の3分の1を超える借入ができないことになっています。

年収との関係と例外の考え方

例えば年収300万円の人は、貸金業者からの借入総額が100万円を超えると、新たな借入ができません。

総量規制の対象外となるもの

  • 銀行のカードローン
  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • おまとめローン(借り換え)
  • 緊急の医療費のための貸付

ただし、銀行カードローンも自主規制を行っており、総量規制と同程度の基準を設けているところが多いです。

金融機関ごとの限度額に達している

すでに複数の金融機関から借りている場合、各社の審査で「これ以上の貸付はリスクが高い」と判断されることがあります。借入件数が多いほど、新規の審査は厳しくなります。

短期間の申込が多い(申込履歴の影響)

ローンやクレジットカードに申し込むと、その情報は信用情報機関に6ヶ月程度記録されます。短期間に複数の申込を行うと「お金に困っている人」と判断され、審査に悪影響を与えます。これを「申込ブラック」と呼ぶこともあります。

審査に落ちても、すぐに別の会社に申し込むのではなく、少し期間を空けることが大切です。

公的支援で生活を支える選択肢

民間の金融機関から借りられない場合でも、国や自治体が提供する公的支援制度を利用できる可能性があります。

住まいを守る支援

住居は生活の基盤です。家賃の支払いに困っている場合、利用できる制度があります。

住居確保給付金の概要と対象

住居確保給付金は、離職や収入減少により住居を失うおそれがある方に、家賃相当額を支給する制度です。

主な支給要件

  • 離職・廃業から2年以内、または収入が大幅に減少している
  • 世帯収入が一定額以下
  • 預貯金が一定額以下(基準額の6ヶ月分、上限100万円)
  • 求職活動を行う意思がある

支給額と期間

  • 支給額:家賃相当額(上限あり、地域によって異なる)
  • 支給期間:原則3ヶ月(最大9ヶ月まで延長可能)

2025年4月からは、家賃の安い住宅への転居費用を補助する仕組みも追加されました。相談先は、お住まいの市区町村の「自立相談支援機関」です。

生活費の貸付制度

生活費に困っている場合、低金利または無利子で資金を借りられる公的制度があります。

生活福祉資金貸付制度の種類と相談先

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯を対象とした公的な貸付制度です。

資金の種類 内容 貸付上限額
総合支援資金(生活支援費) 生活再建までの生活費 月15〜20万円(最大12ヶ月)
総合支援資金(住宅入居費) 敷金・礼金など 40万円以内
総合支援資金(一時生活再建費) 就職活動費、滞納の立替など 60万円以内
緊急小口資金 緊急かつ一時的な生活費 10万円以内
読む  銀行口座差し押さえ 確認方法|残高0円の原因と差し押さえ後に取るべき対処法をわかりやすく解説

貸付条件

  • 連帯保証人あり:無利子
  • 連帯保証人なし:年1.5%
  • 緊急小口資金:無利子、保証人不要

相談先はお住まいの地域の「社会福祉協議会」です。市区町村の窓口で案内を受けることもできます。

制度の最新情報や申請の流れは、生活福祉資金貸付制度の案内もあわせて確認してください。

仕事を探しながら利用できる制度

失業中や求職中の方を支援する制度もあります。

求職者支援制度と求職者支援資金融資

求職者支援制度は、雇用保険を受給できない方が、ハローワークの職業訓練を受けながら給付金を受け取れる制度です。

職業訓練受講給付金の内容

  • 職業訓練受講手当:月額10万円
  • 通所手当:交通費実費
  • 寄宿手当:月額10,700円(条件あり)

さらに、この給付金だけでは生活費が足りない場合、求職者支援資金融資を利用できます。

求職者支援資金融資の内容

  • 単身者:月額5万円 × 訓練月数(最大12ヶ月)
  • 扶養家族あり:月額10万円 × 訓練月数(最大12ヶ月)
  • 金利:年2.0%
  • 担保・保証人:不要

手続きはハローワークで行います。

病気やけがで働けないとき

病気やケガで仕事を休まざるを得ない場合にも、利用できる制度があります。

傷病手当金の条件と申請の流れ

傷病手当金は、会社員など健康保険の被保険者が、業務外の病気やケガで働けなくなった場合に支給される給付金です。

支給条件

  • 業務外の病気やケガで療養していること
  • 療養のため仕事ができない状態であること
  • 連続3日間を含む4日以上仕事を休んでいること
  • 休業期間に給与の支払いがないこと

支給額と期間

  • 支給額:標準報酬日額の約3分の2(目安として給与の約67%)
  • 支給期間:支給開始日から通算1年6ヶ月

申請先は、加入している健康保険(協会けんぽ、健康保険組合など)です。医師の証明と会社の証明が必要になります。

なお、自営業者が加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金制度がありません。

生活再建ローンの位置づけと注意点

一部の自治体や社会福祉協議会では、「生活再建ローン」などの名称で独自の貸付制度を設けていることがあります。

ただし、これらは「借金」であることに変わりありません。すでに返済に困っている状況で新たな借入をすると、問題を先送りにするだけで根本的な解決にはなりません。まずは借金自体を整理できないか、専門家に相談することをおすすめします。

生活が苦しくどうしようもないときの最終手段

ここまで紹介した方法でも解決が難しい場合、最終的な選択肢として検討すべき制度があります。

生活保護を検討する目安

生活保護は、生活に困窮するすべての国民に対し、最低限度の生活を保障する制度です。「恥ずかしい」「申し訳ない」と感じる方もいますが、正当な権利として利用できます。

生活保護を検討すべきケース

  • 収入がほとんどない、または最低生活費を下回っている
  • 預貯金がほぼない
  • 売却できる資産(不動産、車など)がない
  • 援助してくれる親族がいない
  • 他の公的支援制度を利用しても生活できない

相談先と準備しておきたい情報

生活保護の相談先は、お住まいの地域の福祉事務所(市区町村の福祉課など)です。

相談時に準備しておくとよい情報

  • 収入の状況(給与明細、年金通知書など)
  • 預貯金の残高
  • 家賃や光熱費などの支出状況
  • 借金の有無と金額
  • 健康状態、通院状況
  • 家族構成と援助の可否

なお、生活保護を受給しながら借金を返済することは原則として認められません。借金がある場合は、債務整理を併せて検討する必要があります。

借金が原因なら債務整理で立て直す

生活が苦しい原因が「借金の返済」にあるなら、債務整理によって借金問題を根本から解決することを検討しましょう。

債務整理が向いているケースの判断軸

  • 毎月の返済額が収入に対して大きすぎる
  • 借金を返すために別の借金をしている
  • 返済しても元金がほとんど減らない
  • 複数社から借りていて管理しきれない
  • 督促の電話や手紙で精神的に追い詰められている

一つでも当てはまるなら、早めに専門家に相談することをおすすめします。

債務整理の種類と選び方

債務整理には主に3つの方法があり、借金の額や収入状況、守りたい財産などによって最適な方法が異なります。

任意整理

任意整理は、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、返済条件を見直す手続きです。裁判所を通さないため、比較的手軽に行えます。

将来利息カットと返済計画(目安3〜5年)

任意整理のポイント

  • 将来発生する利息をカットできる
  • 遅延損害金も減額交渉が可能
  • 3〜5年程度の分割返済計画を立て直す
  • 整理する借入先を選べる(住宅ローンや車のローンを除外できる)

向いている人

  • 安定した収入がある
  • 借金総額が比較的少ない(目安として300万円以下程度)
  • 元金を3〜5年で返済できる見込みがある

個人再生

個人再生は、裁判所に申立てを行い、借金を大幅に減額してもらう手続きです。

借金減額の仕組みと住宅を残せる可能性

個人再生のポイント

  • 借金を5分の1〜10分の1程度に減額できる
  • 「住宅ローン特則」を利用すれば、持ち家を残したまま債務整理が可能
  • 減額後の借金を原則3年(最長5年)で返済

向いている人

  • 借金総額が大きい(500万円〜数千万円程度)
  • 住宅ローンがあり、家を手放したくない
  • 継続的な収入がある
  • 自己破産では資格制限を受ける職業に就いている

自己破産

自己破産は、裁判所に申立てを行い、借金の支払義務を免除してもらう手続きです。

免除の考え方と財産・資格への影響

自己破産のポイント

  • 借金が原則としてゼロになる(免責許可を得た場合)
  • 収入がない、または非常に少ない人でも利用可能
  • 手続き後は借金から完全に解放される

注意点

  • 一定額以上の財産(99万円を超える現金、20万円を超える価値のある財産など)は処分される
  • 手続き中は一部の職業に就けない(弁護士、宅建士、警備員など)
  • 官報に掲載される
  • 免責不許可事由(ギャンブルや浪費など)があると認められない場合がある

手続き前に確認したいリスクと誤解

債務整理について、よくある誤解を解消しておきましょう。

家族や職場に知られる可能性

任意整理の場合

裁判所を通さないため、基本的に家族や職場に知られることはありません。ただし、家族が連帯保証人になっている場合は、その借金について家族に請求が行く可能性があります。

個人再生・自己破産の場合

官報に掲載されますが、一般の人が官報をチェックすることはほぼありません。ただし、同居家族の収入証明が必要になる場合があり、手続きを隠し通すのは難しいことがあります。

職場に知られるケースは少ないですが、給与差し押さえが行われた場合や、職場からの借入がある場合は知られる可能性があります。

信用情報への影響と回復までのイメージ

債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されます。

手続きの種類 事故情報の登録期間(目安)
任意整理 完済から5年程度
個人再生 手続き開始から5〜10年程度
自己破産 手続き開始から5〜10年程度

この期間中は新たなローンやクレジットカードの審査に通りにくくなりますが、期間が経過すれば信用情報はクリアになります。

絶対にやってはいけない危険な手段

お金に困っているときほど、危険な誘惑に引きずられやすくなります。以下の方法は絶対に利用してはいけません

クレジットカード現金化のリスク

「ショッピング枠を現金化します」という広告を見たことがあるかもしれません。これはクレジットカードで商品を購入し、業者に転売して現金を得る方法です。

なぜ危険なのか

  • クレジットカード会社の規約違反であり、発覚すると強制解約される
  • 手数料が高く、実際に手に入る金額は70〜80%程度
  • 借金が増えるだけで、根本的な解決にならない
  • 自己破産時に「免責不許可事由」に該当する可能性がある

ネット出品の現金購入・給与ファクタリングの注意点

「1円の商品を10万円で買います」という取引

フリマアプリなどで見かけることがありますが、これはマネーロンダリングや詐欺に利用される可能性があります。犯罪に加担してしまうリスクがあります。

給与ファクタリング

「給与を前払いで買い取ります」というサービスですが、実態は高金利の貸金業に該当します。金融庁も「貸金業に該当する可能性がある」と注意喚起しており、法外な手数料を取られるケースが報告されています。

仕組みや違法性の判断ポイントは、貸金業に関する金融庁Q&Aも参考になります。

闇金・SNS個人間融資の危険性

「ブラックOK」「審査なし」「即日融資」といった甘い言葉で勧誘してくる業者は、多くが違法な闇金業者です。

詐欺・犯罪被害・個人情報悪用

闇金の危険性

  • 法外な金利(年利数百〜数千%相当)を請求される
  • 違法な取り立て(脅迫、嫌がらせ、職場への連絡)を受ける
  • 完済しても「まだ残っている」と言われ続ける
  • 家族や知人にまで被害が及ぶ

SNS個人間融資の危険性

  • 実態は闘金業者であることが多い
  • 個人情報を悪用される
  • わいせつ画像の送付を要求されるなどの性的被害
  • 犯罪の片棒を担がされる

SNSで「お金貸します」という投稿には、絶対に連絡してはいけません。

銀行口座の売買が招く重大トラブル

「使わない口座を売ってください」「口座を作ってくれたらお金を払います」という誘いがあります。

銀行口座の売買は犯罪です。口座は振り込め詐欺などの犯罪に使われ、口座を売った人も「犯罪収益移転防止法」違反で逮捕される可能性があります。刑事罰(懲役または罰金)を受けるだけでなく、今後すべての金融機関で口座が作れなくなります。

生活保護費で借金返済しない理由

生活保護を受給しながら借金を返済することは、原則として認められていません。

生活保護費は「最低限度の生活を保障する」ために支給されるものであり、借金の返済に充てることは制度の趣旨に反します。借金がある場合は、自己破産などの債務整理を行ってから生活保護を申請するか、申請後に法テラスなどを通じて債務整理を行うことが一般的です。

弁護士・司法書士に相談するメリットと相談先

借金問題を抱えているなら、専門家への相談を強くおすすめします。

相談で得られること(取り立て停止・方針決定・手続き代行)

専門家に依頼するメリット

  1. 取り立てが止まる:弁護士・司法書士が「受任通知」を送ると、債権者は本人への直接連絡ができなくなります(貸金業法の規定)
  2. 最適な解決方法が分かる:任意整理、個人再生、自己破産のどれが適しているか、専門家が判断してくれます
  3. 手続きを代行してもらえる:複雑な書類作成や債権者との交渉を任せられます
  4. 精神的な負担が軽くなる:督促から解放され、冷静に生活の立て直しを考えられます

弁護士と認定司法書士の違い

債務整理の相談先として、弁護士と司法書士(認定司法書士)があります。

対応できる金額・業務範囲の目安

項目 弁護士 認定司法書士
任意整理 制限なし 1社あたり140万円以下のみ
個人再生・自己破産 代理人として対応可能 書類作成のみ(代理不可)
裁判所への出廷 可能 不可
費用 やや高め 比較的低め

借金の総額が少なく任意整理で解決できそうな場合は司法書士でも対応可能ですが、借金が多額の場合や裁判になりそうな場合は弁護士への相談が安心です。

無料相談を有効活用する準備

多くの法律事務所・司法書士事務所では、債務整理に関する初回相談を無料で行っています。相談をスムーズに進めるため、以下の情報を整理しておきましょう。

借入先・残高・返済額・収支のメモ

  • 借入先の一覧:消費者金融、クレジットカード会社、銀行など
  • 各社の借入残高:おおよその金額でもOK
  • 毎月の返済額:合計でいくら返済しているか
  • 延滞の有無と期間:何ヶ月滞納しているか
  • 収入状況:月収、ボーナスの有無など
  • 支出状況:家賃、光熱費、食費などの目安
  • 家族構成:扶養家族の有無など

完璧に揃っていなくても相談は可能です。まずは連絡してみることが大切です。

無料相談の窓口

  • 法テラス(日本司法支援センター):0570-078374
  • 弁護士会の法律相談:各地域の弁護士会で実施
  • 債務整理に強い法律事務所:多くが無料相談を実施

よくある質問(FAQ)

今すぐお金が必要でも安全に動くには?

まず、この記事で紹介した「すぐに現金を作る方法」(日払いバイト、不用品売却、会社の制度、契約者貸付など)を検討してください。闘金やSNS融資、クレジットカード現金化は絶対に利用してはいけません。どうしても困ったら、市区町村の福祉窓口や社会福祉協議会に相談しましょう。緊急小口資金など、すぐに利用できる制度を案内してもらえる可能性があります。

家族にバレずに相談できますか?

弁護士や司法書士には守秘義務があり、相談内容が家族に漏れることはありません。任意整理の場合、家族に知られずに手続きを進めることも可能です。ただし、個人再生や自己破産では、同居家族の収入証明が必要になる場合があり、完全に隠すのは難しいことがあります。相談時に「家族に知られたくない」と伝えれば、配慮した対応をしてもらえます。

債務整理をするとどれくらいで楽になりますか?

弁護士・司法書士に依頼して「受任通知」が債権者に届くと、通常2〜3日で督促が止まります。その後、手続きの種類によって異なりますが、任意整理なら2〜6ヶ月程度、個人再生・自己破産なら6ヶ月〜1年程度で手続きが完了し、新たな返済計画に移行(または返済義務が免除)されます。「督促から解放される」という精神的な楽さは、依頼後すぐに感じられることが多いです。

公的支援と債務整理は同時に進められますか?

はい、同時に進めることができます。例えば、住居確保給付金や生活福祉資金を利用しながら、並行して債務整理の手続きを進めることは可能です。むしろ、借金問題を放置したまま公的支援だけに頼っても根本的な解決にはなりません。生活の基盤を確保しつつ、借金問題の解決に取り組むのが現実的なアプローチです。

まとめ|お金がないときは「危険回避」と「制度活用」で立て直す

お金がない状況は、誰にとっても精神的に追い詰められるものです。しかし、焦って危険な方法に手を出すと、状況はさらに悪化します。

短期の資金確保→公的支援→根本解決(債務整理)の順で考える

ステップ1:当面の資金確保

日払いバイト、不用品売却、会社の制度、契約者貸付など、合法的な方法で当面の生活費を確保します。

ステップ2:公的支援の活用

読む  債務整理中でも借りれる?結論は原則NG|借入できない理由と安全な対処法を弁護士視点で解説

住居確保給付金、生活福祉資金、求職者支援制度、傷病手当金など、状況に応じた公的支援を利用します。

ステップ3:根本原因の解決

借金が原因で生活が苦しいなら、債務整理で根本から問題を解決します。生活保護が必要なレベルなら、福祉事務所に相談します。

一人で抱えず、早めに公的窓口と専門家につなぐ

お金の問題は、一人で抱え込むほど深刻化します。恥ずかしいと思わず、できるだけ早く相談することが大切です。

相談できる窓口

  • 市区町村の福祉課:生活困窮全般の相談
  • 社会福祉協議会:生活福祉資金の相談
  • 自立相談支援機関:住居確保給付金などの相談
  • ハローワーク:求職者支援制度の相談
  • 法テラス:法律問題(債務整理など)の相談
  • 弁護士・司法書士事務所:債務整理の無料相談

お金がない状況は辛いですが、必ず解決策はあります。危険な方法に頼らず、正しい制度と専門家の力を借りて、生活を立て直していきましょう。

一人で悩まず、まずは相談を。それが状況を好転させる第一歩です。

過去プロミス、モビット、アイフルから400万円の借金をした経験あり。滞納による支払い催促の電話に耐え切れず、任意整理をした経験あり。現在はWEBライターとしてキャッシング・借金減額などお金に関する記事を執筆している。

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