借金救済制度とは?「国が認めた」は本当?債務整理の種類・メリットデメリット・注意点をわかりやすく解説

借金救済制度 2025

「国が認めた借金救済制度で借金がゼロに!」—SNSやネット広告でこのようなフレーズを目にしたことはありませんか?

結論から言えば、「借金救済制度」とは特別な新制度ではなく、従来から存在する「債務整理」のことです。債務整理は確かに法律に基づいた正当な手続きですが、広告で使われる「国が認めた」という表現は、あたかも特別に有利な制度があるかのような誤解を生みやすい宣伝文句です。

2025年2月には、日本弁護士連合会が業務広告に関する指針を改正し、「国が認めた借金救済制度」という表現を「誇大広告」の例として明記しました。

この記事では、「借金救済制度」の正体である債務整理について、種類・メリット・デメリット・費用・注意点まで、わかりやすく解説します。

  1. 借金救済制度とは何か
    1. 「国が認めた」という表現の意味
    2. 債務整理と理解すべき理由
    3. 必要になる典型的な状況
      1. 返済が回らないサイン(延滞・自転車操業など)
      2. 複数社借入・リボ払いが膨らむケース
  2. 使うとどうなる?全体の流れ
    1. 相談から解決までの一般的なプロセス
      1. 収支・借入状況の整理と必要書類
      2. 受任通知後の支払い停止と注意点
    2. 生活への影響(返済・口座・連絡)
    3. 信用情報への影響と期間の目安
  3. 債務整理の種類と特徴
    1. 任意整理とは
      1. 利息カット・返済計画の見直しが中心
      2. 元本が減りにくいケースと限界
    2. 個人再生とは
      1. 借金を大幅に減額できる仕組み
      2. 住宅を守れる「住宅ローン特則」のポイント
    3. 自己破産とは
      1. 免責で借金がゼロになる可能性
      2. 財産処分・職業制限などの注意点
    4. 過払い金返還請求とは
      1. 対象になりやすい契約時期の考え方
      2. 時効(最後の返済から10年)と確認手順
  4. 任意整理のメリット・デメリットと向いている人
    1. 任意整理のメリット
    2. 任意整理のデメリット
    3. 任意整理が向いている人・向かない人
      1. 安定収入がある場合の判断軸
      2. 債権者が応じない可能性への備え
  5. 個人再生のメリット・デメリットと向いている人
    1. 個人再生のメリット
    2. 個人再生のデメリット
    3. 個人再生が向いている人・向かない人
      1. 住宅を残したい場合の適性
      2. 手続きの手間と費用を許容できるか
  6. 自己破産のメリット・デメリットと向いている人
    1. 自己破産のメリット
    2. 自己破産のデメリット
    3. 自己破産が向いている人・向かない人
      1. 返済原資がない場合の現実的選択
      2. 免責不許可事由に注意すべき行動
  7. ネット広告に潜む注意点
    1. メリットだけ強調する広告の見分け方
    2. 不要な債務整理を勧められるリスク
    3. 自己破産相当なのに任意整理へ誘導されるケース
      1. 診断フォーム・LINE誘導の注意ポイント
      2. 費用だけ先に請求されるパターン
  8. よくあるトラブル事例と回避策
    1. 債務がほとんど減らず費用倒れになる
    2. 非弁提携(無資格業者の関与)問題
    3. 過払い金の不正流用・横領リスク
      1. 契約書・委任状・精算書のチェック項目
      2. 連絡頻度や説明責任で見抜くコツ
  9. 相談先はどこがよい?弁護士と認定司法書士の違い
    1. 弁護士に相談するメリット
    2. 認定司法書士に相談できる範囲(上限の考え方)
    3. 状況別のおすすめ相談先
      1. 借入額・社数・収入状況での目安
      2. 訴訟リスクがある場合の判断
  10. 信頼できる専門家の選び方
    1. 債務整理に強い事務所の特徴
      1. 手続きの選択理由を具体的に説明できるか
      2. 費用体系が明確で追加費用の条件が示されているか
    2. 初回相談で確認したい質問リスト
    3. 口コミ・ランキングの扱い方(鵜呑みにしない)
  11. 費用相場と支払い方法
    1. 任意整理の費用内訳(着手金・報酬など)
    2. 個人再生の費用内訳(裁判費用+報酬)
    3. 自己破産の費用内訳(管財・同時廃止の違い)
    4. 過払い金返還請求の費用内訳(成功報酬の考え方)
      1. 分割払い・法テラスなど費用負担を下げる方法
  12. よくある質問
    1. 家族や勤務先に知られる可能性は?
    2. ブラックリスト(信用情報)はいつ消える?
    3. 住宅ローン・車・携帯の分割はどうなる?
    4. 途中で手続きをやめられる?注意点は?
  13. まとめ|「借金救済制度」は中身を理解し、適切な手続きを選ぶ
    1. 広告の言葉ではなく「債務整理の種類」で判断する
    2. 早めの相談が選択肢と負担を減らす

借金救済制度とは何か

まず、「借金救済制度」の正体を正確に理解しましょう。

「国が認めた」という表現の意味

ネット広告で見かける「国が認めた借金救済制度」とは、特別な新制度ではありません。その正体は、従来から存在する「債務整理」という手続きです。

「国が認めた」という表現が使われる理由は、債務整理が法律に基づいた手続きだからです。

  • 自己破産:破産法に基づく手続き
  • 個人再生:民事再生法に基づく手続き
  • 任意整理:民法に基づく私的交渉

しかし、この表現は2025年2月に日弁連が改正した業務広告指針において、「誇大広告または過度な期待を抱かせる広告」の例として明記されました。「あたかも破産や民事再生以外に、債務者にとって特別に有利な法的債務整理の制度が存在するとの期待を抱かせる表現」として問題視されています。

債務整理と理解すべき理由

「借金救済制度」という言葉に惑わされず、実際に行われるのは「債務整理」であることを理解しておく必要があります

債務整理には主に以下の4つの手続きがあります。

手続き 概要 借金への効果
任意整理 債権者と直接交渉 将来利息カット・分割払い
個人再生 裁判所を通じた手続き 借金を1/5〜1/10に減額
自己破産 裁判所を通じた手続き 借金を全額免除(免責)
過払い金返還請求 払い過ぎた利息の返還請求 お金が戻ってくる可能性

どの法律事務所・司法書士事務所でも取り扱っている一般的な手続きであり、特定の事務所だけが知っている「特別な制度」ではありません。公的な情報として日弁連の債務整理の説明も参考になります。

必要になる典型的な状況

債務整理を検討すべき状況について解説します。

返済が回らないサイン(延滞・自転車操業など)

  • 毎月の返済額が収入に対して大きすぎる
  • 返済日に口座残高が足りず延滞してしまう
  • A社の返済のためにB社から借りる「自転車操業」状態
  • 利息ばかり払って元本がほとんど減らない
  • 督促の電話やハガキが届くようになった
  • 返済のために食費や生活費を削っている

複数社借入・リボ払いが膨らむケース

  • 複数の消費者金融やカードローンから借入がある
  • リボ払いの残高が増え続けている
  • 借入総額が年収の3分の1を超えている
  • 毎月の返済額の合計を正確に把握できていない

このような状況が1つでも当てはまる場合、早めに専門家に相談することをおすすめします。

使うとどうなる?全体の流れ

債務整理を行うと、具体的にどのような流れで進み、生活にどのような影響があるのかを解説します。

相談から解決までの一般的なプロセス

  1. 専門家への相談:弁護士・司法書士に借金の状況を相談
  2. 方針決定:状況に応じた債務整理の方法を決定
  3. 委任契約:正式に依頼し、委任契約を締結
  4. 受任通知の送付:債権者に弁護士が代理人になったことを通知
  5. 債権調査:各債権者から取引履歴を取り寄せ、正確な債務額を確認
  6. 手続きの実行:選択した方法に応じた手続きを実施
  7. 解決・返済開始:和解成立または免責確定後、新たな生活をスタート

収支・借入状況の整理と必要書類

相談前に準備しておくと良い情報・書類は以下のとおりです。

  • 借入先の一覧(会社名・借入額・毎月の返済額)
  • 毎月の収入(給与明細など)
  • 毎月の支出(家賃・光熱費・食費など)
  • 保有資産(預貯金・不動産・車など)
  • 契約書やカード、督促状など

受任通知後の支払い停止と注意点

弁護士が「受任通知」を債権者に送ると、督促・取り立てがストップします。

受任通知後は、債権者から本人への直接連絡が法律で禁止されるため、電話やハガキによる督促がなくなります。この間に弁護士費用を積み立てたり、生活を立て直す準備ができます。

注意点

  • 受任通知送付後は返済をストップするため、延滞扱いになる
  • クレジットカードは利用停止になる
  • 裁判上の請求(支払督促・訴訟など)は止まらない

生活への影響(返済・口座・連絡)

  • 返済:手続き中は返済がストップ(または減額)
  • 口座:銀行からの借入がある場合、その銀行口座が凍結される可能性
  • 連絡:債権者からの連絡は弁護士が窓口になる
  • 給与:任意整理・個人再生では差押えを回避できる可能性

信用情報への影響と期間の目安

債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されます。

手続き 登録期間の目安
任意整理 完済から約5年
個人再生 完済から約5〜10年
自己破産 免責確定から約5〜10年

登録期間中の影響

  • 新規のローン・借入ができない
  • クレジットカードが作れない
  • 携帯電話の端末分割払いができない可能性
  • 賃貸契約で保証会社の審査に落ちる可能性

債務整理の種類と特徴

債務整理には主に4つの方法があります。それぞれの特徴を詳しく解説します。

任意整理とは

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、返済条件を見直す手続きです。

利息カット・返済計画の見直しが中心

任意整理で交渉する主な内容は以下のとおりです。

  • 将来利息のカット:今後発生する利息をゼロにする
  • 遅延損害金の減免:延滞による損害金を免除してもらう
  • 返済期間の延長:3〜5年程度の分割払いに変更

例えば、100万円の借金を年利15%で返済している場合、任意整理で将来利息をカットすれば、完済までに支払う総額を大幅に減らせます。

元本が減りにくいケースと限界

任意整理では、原則として借金の元本は減りません。

「借金が減額される」という広告を見て任意整理を依頼しても、元本100万円が50万円になるわけではありません。減るのは将来の利息と支払総額であり、元本自体は全額返済する必要があります。

任意整理の限界

  • 元本が減らないため、借金額が大きいと返済が難しい
  • 債権者が交渉に応じない場合がある
  • 法的強制力がないため、合意が成立しないこともある

個人再生とは

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で返済する手続きです。手続きの概要は裁判所の個人再生案内でも確認できます。

借金を大幅に減額できる仕組み

個人再生では、借金総額に応じて以下のように減額されます。

借金総額 最低弁済額
100万円未満 全額
100万円〜500万円 100万円
500万円〜1,500万円 借金額の1/5
1,500万円〜3,000万円 300万円
3,000万円〜5,000万円 借金額の1/10

例えば、600万円の借金がある場合、最低弁済額は120万円となり、480万円が免除される計算です。

住宅を守れる「住宅ローン特則」のポイント

住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンを返済しながらマイホームを残すことができます。

住宅ローン以外の借金を大幅に減額し、住宅ローンは従来どおり返済を続けることで、自宅を失わずに生活再建ができます。

住宅ローン特則の条件

  • 自己所有の住宅であること
  • 住宅ローンの滞納が一定期間以内であること
  • 住宅が住居用であること(事業用は不可)

自己破産とは

自己破産は、裁判所に申し立てて借金の返済義務を全額免除してもらう手続きです。申立ての基本情報は裁判所の自己破産案内を確認してください。

免責で借金がゼロになる可能性

自己破産で「免責許可決定」が出れば、原則としてすべての借金がゼロになります。

借金額に上限はないため、数千万円の借金があっても免責が認められれば返済義務がなくなります。返済能力がない場合の最終手段として、生活再建の大きな助けになります。

財産処分・職業制限などの注意点

財産への影響

  • 20万円以上の価値がある財産は原則として処分される
  • 自宅や車を手放す必要がある場合が多い
  • ただし、生活に最低限必要な財産(99万円までの現金、家具・家電など)は残せる
読む  リボ払い 過払い金は戻る?キャッシングの条件・時効・デメリットまでわかる完全ガイド

職業制限

手続き中は以下の職業に就けません(免責確定で解除)。

  • 弁護士、税理士、公認会計士
  • 宅地建物取引士
  • 警備員
  • 生命保険募集人 など

その他の影響

  • 官報に氏名・住所が掲載される
  • 管財事件の場合、郵便物が管財人に転送される

過払い金返還請求とは

過払い金返還請求は、払い過ぎた利息を取り戻す手続きです。

対象になりやすい契約時期の考え方

過払い金が発生している可能性があるのは、以下の条件に当てはまる場合です。

  • 2010年6月17日以前に消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用
  • 利息制限法の上限金利(年15〜20%)を超える金利で借りていた

2010年の貸金業法改正以降は、ほとんどの業者が適法金利になっているため、それ以降に借り始めた場合は過払い金が発生していない可能性が高いです。

時効(最後の返済から10年)と確認手順

過払い金返還請求には時効があります。最後の取引から10年で請求権が消滅します。

確認手順

  1. 過去に借入していた業者を確認
  2. 取引履歴を取り寄せる
  3. 利息制限法に基づいて引き直し計算を行う
  4. 過払い金があれば返還請求

任意整理のメリット・デメリットと向いている人

任意整理のメリット

  • 裁判所を通さないため、手続きが比較的簡単
  • 整理する債権者を選べる(住宅ローンや車のローンを除外できる)
  • 家族や職場に知られにくい
  • 費用が比較的安い(1社あたり3〜5万円程度)
  • 手続き期間が短い(3〜6ヶ月程度)
  • 財産を処分する必要がない
  • 官報に掲載されない

任意整理のデメリット

  • 元本は原則として減らない
  • 債権者が交渉に応じないこともある
  • 信用情報に事故情報が登録される(完済から約5年)
  • 3〜5年間は返済を続ける必要がある
  • 借金総額が大きいと返済が難しい

任意整理が向いている人・向かない人

安定収入がある場合の判断軸

任意整理が向いている人

  • 安定した収入があり、元本を3〜5年で返済できる
  • 借金総額が年収の半分程度以下
  • 住宅ローンや車のローンを整理対象から外したい
  • 保証人に迷惑をかけたくない債務がある
  • 職業上、自己破産を避けたい

任意整理が向かない人

  • 収入がない、または不安定
  • 借金総額が大きすぎて元本を返済できない
  • すでに長期延滞しており、訴訟を起こされている

債権者が応じない可能性への備え

任意整理は債権者との「交渉」であるため、合意が成立しない場合があります。特に以下の場合は注意が必要です。

  • 借入期間が短い
  • 一度も返済していない
  • 過去に任意整理したことがある

交渉が難航する場合は、個人再生や自己破産への切り替えを検討することになります。

個人再生のメリット・デメリットと向いている人

個人再生のメリット

  • 借金を大幅に減額できる(最大で1/10に)
  • 住宅ローン特則で自宅を残せる
  • 自己破産のような職業制限がない
  • 財産を処分しなくてよい
  • 借入原因がギャンブルや浪費でも利用可能

個人再生のデメリット

  • 手続きが複雑で期間が長い(6ヶ月〜1年程度)
  • 費用が高い(50〜80万円程度)
  • 安定した収入が必要
  • 官報に掲載される
  • 信用情報に事故情報が登録される(5〜10年)
  • すべての債権者が対象になる(選べない)

個人再生が向いている人・向かない人

住宅を残したい場合の適性

個人再生が向いている人

  • 住宅ローンを返済しながら自宅を残したい
  • 借金総額が大きく、任意整理では返済できない
  • 安定した収入がある(給与所得者など)
  • 自己破産の職業制限に該当する職業に就いている
  • 借入原因がギャンブルや浪費で、自己破産の免責が認められにくい

個人再生が向かない人

  • 収入がない、または不安定
  • 借金総額が5,000万円を超える(住宅ローンを除く)
  • 減額後の借金を3〜5年で返済できる見込みがない

手続きの手間と費用を許容できるか

個人再生は任意整理に比べて手続きが複雑で、費用も高額です。以下の点を考慮する必要があります。

  • 弁護士費用:40〜60万円程度
  • 裁判所費用(予納金など):15〜25万円程度
  • 住宅ローン特則利用時は追加で5〜10万円程度
  • 手続き期間:6ヶ月〜1年程度

自己破産のメリット・デメリットと向いている人

自己破産のメリット

  • 借金が全額免除される(免責許可の場合)
  • 免除される借金額に上限がない
  • 収入がなくても手続きできる
  • 手続き完了後は新たなスタートが切れる
  • 生活に必要な最低限の財産は残せる

自己破産のデメリット

  • 20万円以上の財産は原則処分される
  • 自宅や車を手放す必要がある場合が多い
  • 手続き中は一部の職業に就けない
  • 官報に掲載される
  • 信用情報に事故情報が登録される(5〜10年)
  • 免責不許可事由がある場合は免責されないことも

自己破産が向いている人・向かない人

返済原資がない場合の現実的選択

自己破産が向いている人

  • 収入がない、または非常に少ない
  • 借金総額が大きく、どの方法でも返済できない
  • 返済に充てられる財産がない
  • 持ち家や車などの守りたい財産がない

自己破産が向かない人

  • 自宅を残したい(→個人再生を検討)
  • 職業制限に該当する仕事に就いている(→個人再生を検討)
  • 免責不許可事由に該当する行為がある

免責不許可事由に注意すべき行動

以下の行為があると、免責が認められない可能性があります。

  • 浪費やギャンブルによる借金
  • 財産を隠したり、不当に処分したりする行為
  • 特定の債権者にだけ返済する行為(偏頗弁済)
  • 裁判所への虚偽申告
  • クレジットカード現金化

ただし、これらの行為があっても「裁量免責」で免責が認められるケースもあります。正直に弁護士に相談しましょう。

ネット広告に潜む注意点

「国が認めた借金救済制度」を謳う広告には、いくつかの問題点があります。

メリットだけ強調する広告の見分け方

以下のような広告には注意が必要です。

  • 「借金がゼロになる!」とだけ強調
  • 「100万円→0円」のような極端な事例
  • デメリット(ブラックリスト登録など)の説明がない
  • 「簡単」「すぐに」などの安易な表現
  • 笑顔の人物写真と「スッキリしました!」などの感想

不要な債務整理を勧められるリスク

本来は債務整理が不要な人が、債務整理を勧められるケースが報告されています。

  • 少し節約すれば返済できる程度の借金
  • 収入増加の見込みがある場合
  • まだ延滞していない段階

債務整理をすれば信用情報に傷がつくため、本当に必要かどうかを慎重に判断する必要があります。

自己破産相当なのに任意整理へ誘導されるケース

逆に、本来は自己破産すべき状況なのに、任意整理を勧められるケースもあります。

なぜこのようなことが起こるのか

  • 任意整理は手続きが簡単で、事務所の手間が少ない
  • 1社あたりの報酬が設定しやすい
  • 依頼者の状況を十分に聞き取っていない

返済能力に見合わない任意整理を選択すると、結局返済できずに再度債務整理が必要になることがあります。

診断フォーム・LINE誘導の注意ポイント

  • 「借金減額シミュレーター」で個人情報を入力させる
  • LINE登録を促し、そこから営業をかける
  • 弁護士や司法書士が状況を十分に聞き取らずに方針を決める

費用だけ先に請求されるパターン

  • 着手金だけ払わせて、その後の対応が遅い
  • 追加費用が次々と発生する
  • 費用の内訳が不明確

よくあるトラブル事例と回避策

債務がほとんど減らず費用倒れになる

任意整理で元本が減らないことを理解せずに依頼し、弁護士費用を払った結果、借金は減らず費用だけがかかったというケースがあります。

回避策

  • 「何がどのくらい減るのか」を事前に確認する
  • 費用と減額効果のバランスを検討する
  • 複数の事務所に相談して比較する

非弁提携(無資格業者の関与)問題

弁護士や司法書士の名義を借りて、実際には無資格の業者が業務を行う「非弁提携」が問題になっています。

注意すべきサイン

  • 弁護士・司法書士本人と直接話せない
  • 契約や説明がすべて事務員任せ
  • 事務所の実態がよくわからない

過払い金の不正流用・横領リスク

回収した過払い金を依頼者に渡さず、事務所が流用・横領するトラブルも発生しています。

契約書・委任状・精算書のチェック項目

  • 契約書の内容をしっかり確認する
  • 報酬の計算方法を理解する
  • 精算書を必ず受け取り、内容を確認する
  • 回収した過払い金の金額と、振り込まれた金額を照合する

連絡頻度や説明責任で見抜くコツ

  • 進捗報告が定期的にあるか
  • 質問に対して誠実に回答してくれるか
  • 専門用語を使わず、わかりやすく説明してくれるか

相談先はどこがよい?弁護士と認定司法書士の違い

弁護士に相談するメリット

  • すべての債務整理手続きに対応できる
  • 借入額の上限なく代理人になれる
  • 訴訟対応もすべて任せられる
  • 複雑なケースにも対応できる

認定司法書士に相談できる範囲(上限の考え方)

認定司法書士が対応できる範囲は以下のとおりです。

  • 任意整理:1社あたりの債務額が140万円以下の場合
  • 過払い金返還請求:1社あたり140万円以下の場合
  • 個人再生・自己破産:書類作成のみ(代理人にはなれない)

司法書士は弁護士より費用がやや安い傾向がありますが、対応できる範囲が限られます。

状況別のおすすめ相談先

借入額・社数・収入状況での目安

状況 おすすめ相談先
借入額が1社140万円以下で任意整理希望 弁護士または認定司法書士
借入額が1社140万円を超える 弁護士
個人再生・自己破産を検討 弁護士
訴訟を起こされている 弁護士
複雑な事情がある 弁護士

訴訟リスクがある場合の判断

すでに訴訟を起こされている場合や、訴訟リスクが高い場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

信頼できる専門家の選び方

債務整理に強い事務所の特徴

手続きの選択理由を具体的に説明できるか

  • 「なぜこの手続きを勧めるのか」を論理的に説明してくれる
  • 複数の選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを説明してくれる
  • 依頼者の状況をしっかり聞いた上で提案してくれる

費用体系が明確で追加費用の条件が示されているか

  • 着手金・報酬金・実費の内訳が明確
  • 追加費用が発生する条件が事前に説明されている
  • 分割払いの可否と条件が示されている

初回相談で確認したい質問リスト

  • 私の場合、どの手続きが適切ですか?その理由は?
  • 手続きにかかる費用の総額はいくらですか?
  • 追加費用が発生する可能性はありますか?
  • 分割払いは可能ですか?
  • 手続きにかかる期間はどのくらいですか?
  • 弁護士本人が担当してくれますか?
  • 進捗報告はどのように行われますか?

口コミ・ランキングの扱い方(鵜呑みにしない)

ネット上の口コミやランキングは、以下の理由から鵜呑みにすべきではありません。

  • 広告として掲載されている場合がある
  • 口コミが操作されている可能性がある
  • 個人の感想であり、自分に当てはまるとは限らない

複数の事務所に直接相談し、自分で比較検討することが重要です。

費用相場と支払い方法

任意整理の費用内訳(着手金・報酬など)

項目 費用相場
着手金 1社あたり2〜5万円
報酬金(解決報酬) 1社あたり2〜5万円
減額報酬 減額分の10%程度
合計目安 1社あたり3〜10万円

個人再生の費用内訳(裁判費用+報酬)

項目 費用相場
弁護士費用(着手金+報酬) 40〜60万円
裁判所費用(予納金等) 15〜25万円
住宅ローン特則利用時の追加 5〜10万円
合計目安 50〜90万円
読む  遅延損害金とは?利率・計算方法・上限と放置リスク、免除されるケースまでわかりやすく解説

自己破産の費用内訳(管財・同時廃止の違い)

手続きの種類 費用相場
同時廃止事件(財産がない場合) 30〜50万円
少額管財事件(弁護士代理人あり) 50〜70万円
管財事件(財産が多い場合) 70〜130万円

過払い金返還請求の費用内訳(成功報酬の考え方)

項目 費用相場
着手金 無料〜2万円/社
成功報酬(和解) 回収額の20%程度
成功報酬(訴訟) 回収額の25%程度

分割払い・法テラスなど費用負担を下げる方法

分割払い

多くの事務所が分割払いに対応しています。受任通知送付後は返済がストップするため、その分を弁護士費用の積立に回すことができます。

法テラス(日本司法支援センター)

収入・資産が一定以下の場合、法テラスの民事法律扶助を利用できます。利用要件や申込みは法テラスの民事法律扶助の案内が参考になります。

  • 弁護士費用が通常の半額程度に
  • 月5,000〜10,000円の分割払いが可能
  • 生活保護受給者は費用の返還が免除される場合あり

よくある質問

家族や勤務先に知られる可能性は?

任意整理の場合

基本的に家族や職場に知られる可能性は低いです。裁判所を通さないため、公的な記録が残りません。

個人再生・自己破産の場合

官報に掲載されますが、一般の人が官報を見ることはほとんどありません。ただし、同居家族の収入証明が必要になる場合があります。

知られる可能性があるケース

  • 家族が保証人になっている場合
  • 勤務先からの借入を整理する場合
  • 給与差押えがある場合

ブラックリスト(信用情報)はいつ消える?

  • 任意整理:完済から約5年
  • 個人再生:完済から約5〜10年
  • 自己破産:免責確定から約5〜10年

自分の信用情報は、各信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に開示請求することで確認できます。

住宅ローン・車・携帯の分割はどうなる?

住宅ローン

  • 任意整理:整理対象から外せば継続可能
  • 個人再生:住宅ローン特則で継続可能
  • 自己破産:原則として自宅を手放す

車のローン

  • 任意整理:整理対象から外せば継続可能
  • 個人再生:所有権留保付きの場合は引き上げられる可能性
  • 自己破産:原則として手放す(20万円以上の価値がある場合)

携帯電話の分割払い

債務整理後は新規の分割払いが難しくなります。一括購入か、中古端末の購入を検討しましょう。

途中で手続きをやめられる?注意点は?

手続きの途中でやめることは可能ですが、以下の点に注意が必要です。

  • 着手金は返金されないことが多い
  • すでに受任通知を送っている場合、信用情報に影響が出ている可能性
  • 中断した場合、督促・取り立てが再開される

まとめ|「借金救済制度」は中身を理解し、適切な手続きを選ぶ

広告の言葉ではなく「債務整理の種類」で判断する

  • 「借金救済制度」「国が認めた」は宣伝文句
  • 実際に行われるのは「債務整理」(任意整理・個人再生・自己破産・過払い金返還請求)
  • それぞれの手続きにメリット・デメリットがある
  • 自分の状況に合った手続きを選ぶことが重要

早めの相談が選択肢と負担を減らす

  • 延滞が長引くと選択肢が狭まる
  • 訴訟を起こされると対応が複雑になる
  • 早めに相談すれば、より多くの選択肢から選べる
  • 多くの事務所が初回相談無料で対応

借金問題は、放置すればするほど状況が悪化します。「借金救済制度」という広告に惑わされず、債務整理の中身を正しく理解した上で、自分に合った方法を選びましょう。わからないことがあれば、弁護士や司法書士に相談することが解決への第一歩です。

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